坐骨神経痛で寝返りが痛い時の解消・予防法

坐骨神経痛

眠っているときに寝返りをしようとすると、腰が痛くて寝返りするのが辛い。そんな症状にお困りではありませんか?

 

睡眠中に行う寝返りは、体の特定の部分にかかる負担を分散・軽減するために必要な動きで、良い睡眠には欠かせないものです。

 

しかし、「坐骨神経痛」をわずらっている人は寝返りで痛みを感じてしまうことがあります。ここでは、坐骨神経痛などが原因で寝返りが痛くなる理由は何なのか、寝返りがなぜ重要なのかを確認し、寝返りによる痛みの解消法や予防法を見ていきましょう。

 

 

(1)坐骨神経痛で寝返りが痛くなるのはなぜ?

 

坐骨神経痛とは、腰からつま先にかけて伸びている「坐骨神経」と呼ばれる神経の束が、何らかの原因で炎症を起こすと現れる痛みや痺れといった症状のことです。

 

坐骨神経痛は「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」などの腰の病気が原因となることが多く、他にも「梨状筋症候群」のように筋肉が硬くなること、怪我や腫瘍が原因となり出てくることもあります。

 

睡眠という長い時間、同じ姿勢を続けていると、特定の部分に負担がかかってしまいます。この負担が腰を圧迫すると、寝返りのときに坐骨神経痛の痛みを引き起こしてしまうのです。

 

 

(2)坐骨神経痛と寝返りの重要性について

 

それでは、坐骨神経痛の方にとって寝返りがどのように重要なのか見ていきましょう。

まず、睡眠中の寝返りにはどのような効果があるのでしょうか…。

 

・寝具が体の特定の部分に当たってかかる負担を分散・軽減する
・日中に、重力によりかかっていた体の負担を解消・リセットする
・寝具の空気を入れ替え、寝具内の気温や湿度を整えることで体温を調整する

 

このように、寝返りは体にかかった負担の軽減やリセットといった効果があります。それは坐骨神経痛の症状がある方も同じです。本来は睡眠時にこそ寝返りをうち、腰にかかる負担を軽減することから坐骨神経痛を改善していきたいのです。

しかし、寝返りに痛みを感じてしまうと思うように寝返りが行えず、翌日に負担が持ち越されてしまいます。

このことから、きちんと寝返りを行って眠ることは、坐骨神経痛を回復させるためにも重要なのです。

 

 

(3)仰向けで寝ると腰が痛いという方

 

仰向けで腰が痛くなる原因は何か?

 

仰向けで寝ると腰が痛くなってしまう。それは「腰部脊柱管狭窄症」など腰の病気で坐骨神経痛をわずらっている方や、「反り腰」という姿勢で極端に腰をそらせてしまっている方に多く現れます。

その原因は、「腰部脊柱管狭窄症」の方も「反り腰」の方も仰向きに寝ると腰が浮いてしまうことにあります。

本来、仰向けの寝方は体にかかる圧力が分散されるので、腰の負担が少ない寝方といわれています。しかし、寝ているときに腰が反り、布団との間に隙間ができてしまうと腰が支えられず、その負担から腰に痛みが現れてしまうのです。

 

仰向けで腰が痛くなる時の解消法

 

仰向けで腰が痛くなってしまう場合、痛みを軽減するためには腰の負担を抑える必要があります。

腰の負担を抑える仰向けの寝方は、膝を軽く曲げて寝るという方法です。

膝を伸ばして寝ると、腸腰筋と呼ばれる腰と大腿骨についている筋肉が緊張状態になることで、腰の骨を引っ張り、腰の痛みとなってしまいます。そのため、膝を軽く曲げることで腸腰筋の緊張状態をゆるめ、腰の負担を抑えることができるのです。

膝を曲げる方法としては、曲げたときにラクだと感じる角度をとるようにします。膝を曲げるときは枕やクッション、円柱状にしたタオルなどを膝裏に置く方法がおすすめです。

 

 

(4)横向きで寝ると腰が痛いという方

 

横向きで腰が痛くなる原因は何か?

 

坐骨神経痛の方にとって膝を丸めて横向きの姿勢で寝ることは、腰への圧力が和らぐため痛みが緩和される可能性がある寝方といえます。しかし、横向きなら痛みが出ないわけではありません。

横向きで痛みが出てしまう原因は、腰の支えが十分にないことです。

横向きと仰向けを比べると、横向きの方が体と布団の接する面積が少なくなります。合わせて、腰回りには柔らかい筋肉しかないことも要因です。体の支えが少なく、腰の筋肉を使ってバランスを取ろうとすることで腰椎の負担が大きくなり痛みが現れてしまうのです。

 

横向きで腰が痛くなる時の解消法

 

横向きで腰が痛くなってしまう場合、痛みを軽減するためには腰椎を支える必要があります。

腰椎に支えを作り負担を軽減する横向きの寝方は、タオルなどを折り曲げて腰の部分に敷くとよいです。支えを作ることで体重の負担を逃がすことができます。

抱き枕を使うのもよい方法です。抱き枕を膝の間に挟むと体が安定するので、バランスを取ろうとする負担が軽減します。抱き枕ならば腕も支えることができるので手足がクロスせず、姿勢が悪くなるのを防いでくれます。抱き枕がない場合は枕やクッションを膝に挟むだけでも効果が期待できます。

 

うつ伏せは腰が痛い人には負担がかかります

 

うつ伏せは、仰向けや横向きに比べると腰への負担が大きくなってしまう寝方です。うつ伏せで寝ると腰が反ってしまうため、腰の痛みが出やすく、悪化させてしまう要因となります。

しかし、腰の痛みがない人には問題のない寝方です。また、人によってはうつ伏せの方が腰の痛みが楽だと感じる人もいます。

腰の負担が大きい寝方ではありますが、仰向けや横向きで快適な寝方が見つからない場合にうつ伏せを試してみるのも一つです。自分に合った寝方を見つけてください。

 

 

(5)坐骨神経痛で寝返りが痛い時の予防・解消方法

 

睡眠中に同じ姿勢が続くと特定の部分に負担がかかってしまいます。この負担を軽減し、リセットするためには寝返りを行うことが重要です。

 

しかし、坐骨神経痛のせいで寝返りに痛みが現れる場合、どのようにすれば腰の痛みを予防して寝返りをうつことができるでしょうか?

 

寝返りの痛みに対する予防法として、次のように意識して動いてみましょう。

 

仰向けに寝ている姿勢で、両膝を立てます。
へその下を軽く引っ込めるように腹筋に力を入れてください。
腹筋の力をゆるめずに上半身と下半身を一緒にひねり、寝返りをします。

 

睡眠時の寝返りは上半身から下半身、または、下半身から上半身という順番で動くことになります。この動きは腰の筋肉を使うため、どうしても腰に負担がかり、痛みが出てしまうのです。

 

しかし、予防法の寝返りは、腹筋を使って上半身と下半身を一緒にひねります。そうすることで腰に負担が少ない状態で寝返りを行うことができます。

 

寝返りによる腰にかかる負担を減らすことができれば、痛みの解消へつながります。坐骨神経痛が原因で寝返りが痛い方は、痛みがでないよう注意しながら予防法の寝返りを試してみてください。

 

 

(6)寝返りが痛い時は使う寝具も重要

 

ここまで、仰向けで腰が痛くなる原因は腰が浮くことで布団との間に隙間ができ、腰が支えられないこと。横向きの場合は、布団の接する面積が少ないため腰の支えが十分でないことが原因にあると述べました。

このことからも体を支える寝具は重要なものといえます。なかでもマットレスと枕は体に合った、寝返りをしやすい寝具であることが大切です。

それでは、マットレスと枕に対して押さえるべきポイントはなんでしょうか?

 

○マットレスのポイント
マットレスは、適度な硬さがあるマットレスを使いましょう。

硬すぎるマットレスは体が当たる部分の沈み込みが少ないため、支えが足りず、痛みが出やすくなってしまいます。反対に柔らかいマットレスは体が必要以上に沈み込み、寝返りがしにくくなってしまいます。

適度な硬さがあるマットレスを使うことで、体にかかる圧力を分散し、寝返りがしやすくなるのです。

マットレスを選ぶときは実際に店頭にあるマットレスに横になり、沈み具合を確認してみましょう。仰向けで寝たときに寝姿がS字姿勢となり、マットレスと体の間に隙間のできないものがおすすめです。

 

○枕のポイント
枕は首に負担がかからない高さ・硬さのものを使いましょう。

枕の高さは首への負担につながります。そして首に負担がかかると腰にも影響するので注意が必要です。高すぎず低すぎないもので、仰向けでよく寝る方は寝たときに目線がやや下向きになる高さの枕、横向きでよく寝る方は背骨の延長線上に頭がくる高さの枕がおすすめです。

枕の硬さは、頭が沈みこまずに支えてくれる硬さの枕がいいでしょう。

寝返りで痛みを感じると寝返りをするのが辛く、回数が減ってしまいます。しかし、それでは寝返りによる体の負担を分散・軽減するという効果が得られず、坐骨神経痛の回復を妨げることになってしまいます。

眠るときの痛みを解消・予防しながら上手に寝返りをうつことで腰への負担を軽減し、坐骨神経痛を改善していきましょう。

 

 

寝返りについて相談したい。坐骨神経痛と思われる症状があるなど、些細なことでも気になることがございましたらいつでもご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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