坐骨神経痛は毎日ロキソニンを飲んだら治る?薬の服用法は?

坐骨神経痛

坐骨神経痛の辛い痛みや痺れにお困りの方には、ロキソニンなどの痛み止めを毎日服用したという経験があるのではないでしょうか?

 

痛み止めを服用している間に坐骨神経痛が改善すればよいのですが、人によっては痛み止めを数か月もの間服用したにもかかわらず、痛みが治まらなかったというケースも耳にすることがあります。

 

では、どうして痛み止めを服用しても、坐骨神経痛の症状が改善しないことがあるのでしょうか?

 

ここでは、ロキソニンのような痛み止めの効能や副作用、坐骨神経痛に対する働き方、坐骨神経痛の治療のために痛み止めをどう服用すべきかをご説明します。

 

 

(1)坐骨神経痛とはどんなもの?

 

腰から足にかけて「坐骨神経」と呼ばれる神経が伸びています。この坐骨神経が何らかの原因により刺激を受け、痛みや痺れといった症状が現れることを坐骨神経痛と呼びます。

 

坐骨神経痛は、坐骨神経への刺激が原因となる症状ですが、実際にその症状が現れる部位は人によって異なり、脚全体に現れることも、ふくらはぎなど一部に現れることも、お尻に現れることもあるのです。

 

 

坐骨神経痛の症状

 

坐骨神経痛の症状にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

 

・腰、お尻から足にかけて痛みや痺れがある

・長い時間立っていると痛みや痺れが現れて立っているのが辛い

・お尻が痛くて座り続けることが辛い

・体をかがめると痛みや痺れが強くなる

・歩き続けると痛みが出るが、少し休むと歩けるようになる

・足に冷感や灼熱感、締めつけ感がある

 

 

坐骨神経痛の治療法

 

坐骨神経痛の治療法は「保存療法」と「手術療法」の2つに大きくわけられます。保存療法は薬やマッサージなどを症状に応じて行う治療法です。手術療法はその名前のとおり、手術により治療をおこないます。

 

まず、保存療法にどのような方法があるかみていきたいと思います。

 

1.薬物療法

「痛み止め」や「筋弛緩剤」などの薬を使って痛みを和らげる方法です。長期にわたり服用を続けると、副作用により胃などにダメージを受けることがあるので注意が必要です。

 

2.物理療法

血流を良くすることで痛みを改善します。「鍼灸」「低周波電気」「マッサージ」「骨盤牽引」などの方法が当てはまります

 

3.運動療法

ストレッチなど体を動かすことで筋肉の緊張を和らげ、血流を良くすることで症状を改善する方法です。続けることで筋力がつくと身体の負担軽減になります。

 

4.装具療法

コルセットなどの装具を使い、腰を支えることで痛みを和らげます。装具を長期間使用し続けると筋力低下というデメリットもあるため注意する必要があります。

 

5.ブロック療法

局所麻酔や抗炎症剤などを直性注入して治療します。痛みを和らげるだけでなく、血流の改善や筋肉の緊張を緩和する効果も期待できます。

 

手術療法は、保存療法で改善しないほど症状が悪化してしまった場合にすすめられることがある治療法です。「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎分離・すべり症」などの疾患が原因である場合があります。

 

 

 

(2)坐骨神経痛と「痛み止め」について

ここからは、坐骨神経痛の治療法の1つ「薬物療法」により、「痛み止め」を服用する場合についてみていきましょう。

 

 

ロキソニンなど「痛み止め」の効能

 

一般的にロキソニンなどの「痛み止め」は消炎鎮痛薬と呼ばれ、鎮痛・消炎・解熱の効能をもっています。鎮痛は痛みを抑制する効果、消炎は痛みの原因となる炎症を消す効果、解熱は発熱による症状を軽減する効果のことです。

 

ここで、痛みについてふれたいと思います。例えば、「足をぶつけた」場合の痛みはどのように伝わるのでしょうか?

 

1.受容器が痛みを受け取る

足の皮膚からぶつけた刺激を「受容器」が受け取ります。

 

2.神経へ伝わる

「受容器」から発せられた痛みの信号は神経を通って脊髄へ流れていきます。

 

3.脊髄・脳へ伝わる

神経から脊髄へ伝わり、さらに脳へと伝わります。

 

このように痛みは「受容体」から「神経」、「脊髄や脳」へと伝わっていきます。

 

「受容体」から発生する痛みには、つねる・ぶつけるといった刺激、熱による刺激、化学的な物質による刺激といったものが該当します。頭痛や肩こり、腰痛も「受容体」から生じる痛みです。このような「受容体」からの痛みにはロキソニンのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が効果を発揮します。

 

「受容体」から発生した痛みは「神経」へと伝わっていくのですが、この「神経」から痛みが生じる場合もあります。神経痛と呼ばれるもので、坐骨神経痛もこれに該当します。このような「神経」からの痛みにはリリカのような神経障害性疼痛の治療薬が有効とされます。

 

このように痛みといっても「受容体」から生じる場合、「神経」から生じる場合というように違いがあり、鎮痛の効能を持つ薬でも痛みがどこから生じるかで効果を発揮する薬が変わってしまいます。

 

 

「痛み止め」は坐骨神経痛の治療薬ではありません

 

「痛み止め」は坐骨神経痛の痛みを抑える効果をもっています。ですが、坐骨神経痛の原因を改善するものではありません。そのため、一時的に痛みが治まったとしても、薬の効果が切れると再び痛みが現れてしまいます。

 

これは、坐骨神経痛の痛みが、骨や軟骨・筋肉が坐骨神経を圧迫する刺激によって生じるためです。

 

「痛み止め」の鎮痛の効能によって痛みが抑制されたとしても、坐骨神経を圧迫し、刺激をあたえている骨や軟骨・筋肉に対する効果はありません。そのため、「痛み止め」の効果が切れると再び痛みが現れてしまうのです。

 

本来、痛みは身体をその原因から守るための反応です。痛みが生じることで原因となる怪我や病気を治すために働きかけることができます。ですが、「痛み止め」で痛みを抑制しているときに無理をすると症状がより悪化してしまう可能性があるため注意してください。痛みを感じなくなったからといって症状が改善したわけではないのです。

 

 

「痛み止め」の副作用

 

「痛み止め」を服用する場合は副作用にも注意してください。

 

ロキソニンなどの「痛み止め」は刺激が強い薬で、胃を荒らすといった副作用があります。そのため、「痛み止め」と一緒に胃の粘膜を保護するための胃薬の服用や、食後に服用することで胃を荒れにくくする必要があるのです。

 

このため「痛み止め」を長期にわたって服用すると、胃に穴が開いてしまう恐れもあり得るのです。

 

 

(3)坐骨神経痛の痛みを抑える市販薬は?

 

ここまでで、坐骨神経痛は「痛み止め」を服用しても治らないことをご説明しました。

 

しかし、坐骨神経痛によって急な痛みが生じてしまったときに市販薬で対処する場合もあると思います。そんなときは、次のような成分が含まれる市販薬をさがしてみてください。

 

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

 ・ロキソプロフェンナトリウム水和物

 ・イブプロフェン

 ・アスピリン(アセチルサリチル酸)

 

非ピリン系解熱・鎮痛剤

 ・アセトアミノフェン

 

これらの成分を含んだ市販薬には次のようなものがあります。

 ・ロキソニン

 ・イブ

 ・タイレノールA

 

 

(4)生活の中でできる坐骨神経痛のセルフケア

 

「痛み止め」で坐骨神経痛が治らないならば、どのようにして坐骨神経痛を改善すればよいのでしょうか?

 

ここで大切になるのがセルフケアです。

 

痛みは怪我や病気から身体を守るためのサインです。治すためには身体の疲れや、不足したエネルギーを回復する必要があります。

 

そのため、坐骨神経痛による症状が現れてしまった場合は、身体をしっかり休めるよう心掛けてください。しっかり睡眠をとって回復を促しましょう。

 

また、身体を冷やすのはよくありません。坐骨神経痛の痛みは腰への負担や血流の悪化によって現れます。そのため、日頃から身体を冷やさないように気を付けましょう。身体を冷やさないというのは、身体の外側だけでなく、内側からも冷やさないようにすることが大切です。

 

身体を冷やさないため、次の行動を意識しましょう。

・入浴で身体を温める

・使い捨てカイロを使って痛みがある部位を温める

・身体を冷やす食べ物・飲み物の取り過ぎに注意する

(夏が旬の野菜や果物、コーヒーなどカフェインを含む飲み物など)

 

 

(5)坐骨神経痛を再発しないため気を付けること

 

坐骨神経痛の痛みが改善したら、次は再発しないように注意する必要があります。次のことに注意して、再発防止を心がけましょう。

 

 ・重いものを持たない

 ・長時間同じ姿勢をとらない

 ・激しい運動をしない

 ・姿勢を見直して身体が歪まないようにする

 ・肥満を予防し、必要なら減量する

 ・ストレッチなど適度な運動をする

 ・体を冷やさない

 

 

(6)坐骨神経痛の治療に「痛み止め」は注意が必要

 

「痛み止め」は坐骨神経痛の治療薬ではないことをお伝えしました。そればかりか、「痛み止め」を服用し、身体を無理に動かし続けることで症状が悪化する可能性もあり得るのです。

 

そして、「痛み止め」には副作用もあり、長期間の服用は身体に負担をかけてしまうため注意が必要です。

 

それでは、「痛み止め」を服用せずに痛みを我慢すればいいのかというと、そういうわけではありません。痛みがあると十分に身体を休めることができません。そんなときに「痛み止め」が役立ちます。要は、「痛み止め」だけに頼るのではなく、痛みが抑えられている間に身体に負担がかからないようにケアすることが必要なのです。

 

「痛み止め」を長期間服用していても坐骨神経痛が改善しない、坐骨神経痛と思われる症状がなかなか改善しないなど、些細なことでも気になることがございましたらいつでもご相談ください。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

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