痛くて歩けない「坐骨神経痛」の原因と注意点
- By: Kotsuban_anesis
- カテゴリー: 坐骨神経痛
お尻や足に痛みや痺れが現れるのが坐骨神経痛の特徴です。その痛みや痺れは日常生活に影響し、ときには歩くことが困難になってしまうこともあります。
そして坐骨神経痛は、生活していれば時間とともに必ず治るというわけではありません。場合によっては寝て起きたら痛くて歩けなくなってしまうこともあるほどです。
ここでは、坐骨神経痛の特徴について説明し、どのような原因があるか、注意すべき行動にどのようなものがあるかを解説していきます。坐骨神経痛に対して自身がどのように対処すべきか理解を深めていきましょう。
(1)坐骨神経痛の特徴
坐骨神経痛の特徴は、お尻から足にかけて、一部または脚全体に痛みや痺れが現れるというもので、痛みがひどいと歩けなくなってしまうこともあります。他にも冷感や灼熱感や締めつけ感が現れることもあります。
坐骨神経痛は症状を表わすもので、病名ではありません。症状が起きる原因は様々ですが、「坐骨神経」という腰からつま先にかけて伸びている神経の束に、坐骨神経痛の原因となるものによる圧迫や刺激、炎症によって坐骨神経痛が生じます。
(2)坐骨神経痛の原因は何なのか?
それでは、坐骨神経痛の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
「坐骨神経」に対して圧迫や刺激、炎症の原因は様々ですが、大きく2つの原因にわけることができます。
①腰の病気が原因となる坐骨神経痛
坐骨神経痛の原因となる代表的な腰の病気には次のようなものがあります。
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎すべり症
※上記以外にも坐骨神経痛の原因となる病気は多数あります。
②筋肉が原因となる坐骨神経痛
坐骨神経痛は筋肉が硬くなることが原因となる場合もあります。
・梨状筋症候群
また、1度でも坐骨神経痛を引き起こすと、その痛みや痺れによって筋肉が強張り、姿勢や血行を悪くしてしまいがちです。それが坐骨神経痛の原因になることもあるため注意が必要です。
(3)「梨状筋症候群」の特徴や予防法を知ろう!
坐骨神経痛の原因となる腰の病気について代表的なものを見ていきたいと思います。
・腰椎椎間板ヘルニア
背骨をつなぐクッションの役割をしている椎間板という軟骨があります。この椎間板の一部が神経の通り道に出てきてしまい、神経を圧迫することで坐骨神経痛の症状が現れます。
若い方に多く、長時間同じ姿勢でいることや重い荷物を急に持ち上げることで発症する危険があります。
・腰部脊柱管狭窄症
脊柱管(せきちゅうかん)という背骨の中央にある脊髄と神経の通り道があります。この脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることで坐骨神経痛が引き起こされます。
加齢によって引き起こされるため、高齢者に多く現れます。
・腰椎すべり症
腰椎は、背骨を構成する骨で腰の部分にあたります。この腰椎が前方へすべる(ずれる)ことで脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることで坐骨神経痛が現れます。
腰椎すべり症はさらに大きく「腰椎変性すべり症」「腰椎分離すべり症」の2つにわけられます。「腰椎変性すべり症」は加齢などによる椎間板などが変形してずれてしまうもので、中年以降の女性に多く現れます。「腰椎分離すべり症」は腰椎分離症に伴って起きるものです。
(4)筋肉が原因となる坐骨神経痛ついて
筋肉が原因となる坐骨神経痛として、梨状筋が硬くなることで発症する「梨状筋症候群」があります。
梨状筋はお尻にある筋肉で、坐骨神経は梨状筋の下に位置します。普段は柔らかい梨状筋ですが、デスクワークのように長時間座っていたり、ゴルフのように体を捻るスポーツをしたりして負担がかかると筋肉が硬くなってしまいます。筋肉が硬くなると坐骨神経を圧迫してしまい坐骨神経痛を引き起こしてしまうのです。
梨状筋症候群は、MRIやレントゲンといった検査でみつけることができないので診断が難しく、適切な治療をするためにも他の病気との鑑別が必要です。
(5)坐骨神経痛の方が注意すべき行動
坐骨神経痛の方は、坐骨神経に負担をかけないため普段の行動に注意すべきものがあります。注意すべき行動を1つ1つ確認していきましょう。
重たいものを持ち上げる
腰の病気が原因となる坐骨神経痛の方は、腰に負担をかけると悪化させてしまう可能性があります。そのため数㎏の荷物であったとしても、腰に負担をかけないようにできれば持ち上げない方がよいといえます。
もしも、どうしても持ち上げる必要がある場合は腰の負担を軽減するため次のように意識してみてください。
1.足を肩幅に開き、荷物の近くに立つ
2.背中をのばしたまま足を曲げてしゃがむ
3.前傾姿勢にならないよう、脚の筋肉で立ち上がるようにして持ち上げる
過度なストレッチをする
過度なストレッチは筋肉を硬くしてしまうことがあり、坐骨神経痛を悪化させる可能性があるので注意が必要です。特に腰痛がある方は、すでに腰回りの筋肉が硬くなっていることがあり、ストレッチが坐骨神経に刺激をあたえた結果として痛みを強めてしまうこともあり得るのです。
ストレッチによるセルフケアで症状を改善したい場合は、まず専門家に相談することをおすすめします。症状に合ったストレッチを知り、正しい方法でストレッチを行ってください。
必要以上に安静にする
体を動かさずに安静にすることは、坐骨神経痛の症状を悪化させてしまうことがあります。
坐骨神経痛の痛み・痺れといった症状から、本来なら動けるはずのことをしない、動くことに消極的になってしまいベッドで寝て過ごす。そのような行動では体の筋力が落ちてしまい坐骨神経痛の回復を妨げてしまうことがあります。
必要なのは、症状の程度に応じて無理のない範囲で体を動かすことです。
痛みが出ないように注意しながら動くことで筋力を維持し、日常に近い状態で過ごすことが回復を早めることにつながります。
激しい運動をする
坐骨神経痛の方は、ジャンプや体を捻るような激しい運動をすることで腰の神経を傷つけてしまい、症状を悪化してしまうことがあります。腰回りの筋肉が落ちている状態で運動による負担がかかると、その運動が坐骨神経痛をひどくしてしまう可能性があるのです。
運動は坐骨神経痛の予防・改善が期待できるものではありますが、運動によって症状が悪化してしまった場合は無理せずに安静に過ごしましょう。
同じ姿勢を長時間続ける
デスクワークや運転で長時間座り続ける、立ち仕事で長時間立ち続けるといった同じ姿勢を続けることは腰や足の血流を悪くし、特定の部位に負担をかけてしまうため坐骨神経痛の悪化につながります。
同じ姿勢を長時間続ける必要がある場合は、20~30分に1度は休憩をはさんで体を動かすことを意識してください。
太って体重が増加する
坐骨神経に負担をかけないようにすることが、坐骨神経痛の改善には必要です。そのため、太ることによって体重を増加させると坐骨神経痛になりやすくなってしまいます。
それでは、体重が増えるとどんなことが起きるのでしょうか?
・お腹やお尻が重くなることで坐骨神経に負担がかかる
・反り腰のように姿勢が悪くなり、坐骨神経を引き起こしやすくなる
・動かなくなり、より体重の増加につながってしまう
坐骨神経痛を改善するために食生活を注意し、体を支える筋肉を落とさないように気を付けてください。
(6)整体が坐骨神経痛に役立つことは?
整体は坐骨神経痛の改善に対してどのように役立つのでしょうか?
整体は歪んだ体のバランスを整え、筋肉や関節の負担を軽減することから体の不調を改善するという効果が期待できます。
そのため、筋肉が原因である坐骨神経痛には役立つのですが、腰の病気が原因である坐骨神経痛の場合は役に立てないことがあります。腰の病気を治すことは整体の専門外であるためです。
整体が役立てることは、具体的には以下のような場合です。
・梨状筋症候群のように筋肉が原因となっている坐骨神経痛の場合
・体の歪みにより腰の病気が発症した場合
このような場合は、整体は体のバランスを整えることで坐骨神経痛の症状を緩和できる可能性があります。一度の施術では変化が少なくても、何回かの施術によって筋肉の状態を整え、坐骨神経の負担を減らすことで改善へ促すことが期待できます。
(7)坐骨神経痛の原因と注意点のまとめ
坐骨神経痛の原因と注意すべき行動について解説させていただきました。
坐骨神経痛は大きく2つの原因にわけて考えることができます。
・腰の病気が原因
・筋肉が原因
そして、坐骨神経痛の方が注意すべき行動として次のものがありました。
・重たいものを持ち上げる
・過度なストレッチをする
・必要以上に安静にする
・激しい運動をする
・同じ姿勢を長時間続ける
・太って体重が増加する
これらの行動は坐骨神経に負担をかけず、筋力が衰えないようにするために必要な行動です。坐骨神経痛が悪化し、痛みで歩けないというような日常生活に影響を出さないためにも日頃から気を付けてください。
そして、坐骨神経痛と思われる症状がある場合は原因をきちんと鑑別し、適した対処をする必要があります。専門家に相談し、早めに適切なケアをしていきましょう。
ストレッチや運動の方法を相談したい。坐骨神経痛と思われる症状があるなど、些細なことでも気になることがございましたらいつでもご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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