楽な姿勢で変わる!坐骨神経痛の痛みを軽減する寝方は?

坐骨神経痛

坐骨神経痛で痛みや痺れの症状が現れると動くことが辛くなってしまうことがあります。そんなときには体を安静にするため寝ることで回復を促したいのですが、そもそも寝たときに痛みを感じたのではゆっくり体を休めることもできません。

 

寝る姿勢で痛みを感じてしまう方は、回復を図るためにも痛みを軽減するような寝方を知り、ゆっくり体を休めることが重要になります。

 

ここでは、坐骨神経痛の方が寝る姿勢で感じる痛みの解消法と、原因となる疾患に対して痛みを軽減する楽な姿勢についてご説明します。

 

 

(1)坐骨神経痛の方が痛みを軽減して眠るためには

 

睡眠は、脳や身体を休めるだけでなく、免疫機能を高め、記憶を整理し、感情を整えるといった多くの大切な役割があります。

 

しかし、寝る姿勢で痛みを感じると睡眠が難しくなってしまいます。

 

特に坐骨神経痛の方は寝る姿勢で痛みを感じ、快適な睡眠が困難なものになってしまいがちです。まずは、坐骨神経痛の方が痛みを軽減して眠るための方法をご紹介します。

 

タオルや枕を使った痛みの解消法

 

坐骨神経痛の方が寝る姿勢で痛みを感じてしまうのは、腰に負担がかかっていることが原因としてあげられます。そのため、タオルや枕を使い、腰の負担を支えることで軽減できることがあります。

 

それでは、「仰向けで寝る場合」と「横向きで寝る場合」にわけて痛みの解消法をみていきましょう。

 

仰向けで寝る場合の解消法

 

仰向けで寝る場合は、膝を軽く曲げて寝ると腰の負担を軽減することができます。このとき、膝の下に折り畳んだバスタオルや枕を置くと腰の支えとなり効果的です。

 

仰向けの姿勢で膝を伸ばして寝ると、腰が反ることで布団との間に隙間ができてしまい腰を支えることができません。この隙間が腰の負担となり痛みを誘発することになります。そこで、膝を曲げると腰を引っ張る筋肉をゆるめることができ、負担を抑えることになるのです。

 

横向きで寝る場合の解消法

 

横向きで寝る場合は、膝を軽く丸めて腰のくびれ部分に幅10センチ程度の細長いタオルを敷く方法がおすすめです。

 

横向きの姿勢は布団と接する部分が少ないことから体の支えが十分ではありません。そして、腰椎の周りには柔らかい筋肉しかなく、腰椎周りの筋肉を使ってバランスをとろうとするとどうしても腰椎への負担が大きくなってしまいます。この負担により坐骨神経痛の症状が現れてしまうのです。

 

そこで、腰のくびれ部分にタオルで支えを作り、腰椎の負担を軽減することで痛みを防ぎます。

 

他にも、軽く丸めた膝の間に枕やクッションを挟むことでバランスがとりやすくなり、腰の負担を軽減することができます。

 

寝る姿勢と寝具の重要性

 

「仰向けで寝る場合」と「横向きで寝る場合」の痛みの解消法をご説明しましたが、寝方と合わせて寝具の重要性もみていきたいと思います。

 

「仰向けで寝る場合」は腰が反ることで布団との間に隙間ができ、支えがないことが腰の負担となりました。「横向きで寝る場合」は布団と接する部分が少なく体の支えが不十分となり、筋肉でバランスをとると腰椎の負担になってしまいました。

 

このような場合は、腰や腰椎の負担を軽減するために体を支えて負担を少なくする寝具を使うことが大切になります。

 

特に体を支えて負担を少なくするためには適度な硬さのあるマットレスがおすすめです。

 

硬すぎると体の沈み込みが少なくなり特定の部分で支えることになってしまいます。柔らかいものは必要以上に沈んでしまうため寝返りといった動きを妨げることにつながります。そのため、体とマットレスの間に隙間が少なくなるようなマットレスを使うことで負担を軽減できるのです。

 

 

(2)坐骨神経痛の原因とおすすめの寝方

 

坐骨神経痛の原因の多くは腰の疾患です。原因となる疾患によって坐骨神経痛が現れる要因に違いがあるため、痛みが出にくいとされる寝方にも違いがあります。

 

仰向けの寝方をおすすめする場合

 

まずは、坐骨神経痛の原因により仰向けの寝方をおすすめする場合をみていきましょう。

 

仰向けの寝方では膝を軽く曲げて寝る方法がおすすめです。膝の下にはタオルや枕などを置いて支えてください。できるならば高さを調整可能なベッドで上半身をわずかに持ち上げるとより負担が軽減できます。

 

椎間板症

 

椎間板症は、本来は骨の間でクッションの役割をする椎間板が変性し、痛みが発生してしまいます。

 

椎間板症の場合は椎間板の負担を減らすため、仰向けの寝方がおすすめです。

 

脊椎すべり症

 

脊椎すべり症は、椎間板などが変性してしまうことで本来は簡単にずれない脊椎にずれが生じてしまった状態をいいます。

 

脊椎すべり症の場合は腰に負担をかけないよう、仰向けの寝方がおすすめです。

 

横向きの寝方をおすすめする場合

 

次に、坐骨神経痛の原因により横向きの寝方をおすすめする場合をみていきます。

 

横向きの寝方では膝を軽く丸めて寝ることをおすすめします。腰のくびれ部分に細長く折りたたんだタオルを敷いて支えてみる方法や、膝の間に枕やクッションを挟む方法が腰の負担を軽減してくれます。

 

変形性腰椎症

 

変形性腰椎症は、加齢による腰椎の変化で背骨の変形や、骨棘という骨の棘ができて腰痛や坐骨神経痛が現れるというものです。変形性腰椎症を放置すると椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を引き起こすことがあります。

 

変形性腰椎症の場合は、背骨や椎間板に負担をかけないように横向きの寝方がおすすめです。

 

脊柱管狭窄症

 

脊柱管狭窄症は、脊柱管という脊髄にある神経の通り道が狭くなることで神経が圧迫され、坐骨神経痛が現れてしまうというものです。

 

脊柱管狭窄症の場合は神経が圧迫されるのを和らげるようにするため、横向きの寝方がおすすめです。

 

椎間板ヘルニア

 

椎間板ヘルニアは、椎体という背骨を構成する骨に対してクッションの役割をする椎間板という軟骨が神経の通り道にはみ出したり、飛び出したりしてしまった状態をいいます。このはみ出した椎間板が神経を圧迫することで坐骨神経痛の症状が現れます。

 

椎間板ヘルニアの場合は神経が圧迫されるのを和らげるようにするため、横向きの寝方がおすすめです。

 

 

(3)坐骨神経痛の痛みを軽減する寝方は?

 

先ほど、坐骨神経痛の方が痛みを軽減して眠る方法と、坐骨神経痛の原因に対するおすすめの寝方をご紹介しました。

 

マットレスにより体を支えるための負担を減らし、坐骨神経痛の原因である疾患に対するおすすめの寝方を参考に工夫してみてください。

 

坐骨神経痛の症状がある場合は腰の負担を減らすことが大切です。仰向け・横向きの寝方でも同じ姿勢を長く続けることは特定部分が負担となり血流が悪くなってしまいます。ときには寝返りで位置を変え、一部のみに負担がかからないようにしましょう。

 

坐骨神経痛の方が少しでも楽に眠るため、坐骨神経痛と思える症状がある方は以下の寝方を試してみてください。

 

まずは横向きの寝方を試してください

 

坐骨神経痛の方におすすめする寝方は横向きの姿勢です。坐骨神経痛の症状がある方は、まず横向きの寝方を試してみてください。

 

横向きの寝方は、背骨への負担が減ることで痛みを和らげやすいとされています。横向きで寝る場合は痛みを感じる方が上・下といった決まりはありません。楽だと感じる向きで寝てください。

 

仰向けの場合は膝を曲げてください

 

仰向けは体にかかる圧力が分散され、腰の負担が少ない寝方といわれています。しかし、布団と腰にできてしまう隙間が負担になるため坐骨神経痛の方は痛みが現れやすい寝方でもあります。

 

仰向けで寝る場合は、膝を曲げることで腰の負担を軽減できます。膝の下にタオルや枕を置き、高さを調整しながら楽な位置に合わせてください。

 

リクライニング姿勢も睡眠におすすめ

 

位置を調整可能なベッドがある場合は、ベッドの位置を調整してリクライニング姿勢での睡眠がおすすめです。

 

位置を調整可能なベッドがない場合は、「三角クッション」のように姿勢をサポートできるものを使うことで寝るときの姿勢を楽にできます。

 

 

(4)坐骨神経痛の痛みを軽減する寝方のまとめ

 

坐骨神経痛の痛みを軽減するための寝方についてご説明させていただきました。

 

快適な睡眠により体を休めることは、坐骨神経痛の回復に必要不可欠です。そのためにも坐骨神経痛による痛みや痺れを軽減し、楽な姿勢で安静にすることが大切になります。

 

坐骨神経痛の方が痛みを軽減する寝方は、まずは横向きの姿勢を試し、痛みが軽減しない場合は仰向けを試してみてください。タオルや枕を使うことで負担を軽減する工夫も取り入れてみてください。

 

また、負担が少なくなるような寝具を使うことも痛みの軽減に役立ちます。寝る姿勢をサポートするために調整可能なベッドなどでリクライニング姿勢をとることもおすすめです。

 

坐骨神経痛の方は腰の負担を減らすためにも、自身の痛みを和らげることができる寝方を工夫し、坐骨神経痛を改善していきましょう。

 

腰の痛みで睡眠が辛いとき、坐骨神経痛と思われる症状があるなど、些細なことでも気になることがございましたらいつでもご相談ください。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

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