おしりや足の付け根の辛い痛み!臀部痛の原因や治療法を解説!
- By: Kotsuban_anesis
- カテゴリー: おしり 痛み
おしりや足の付け根に痛みや違和感があったとしても、そのうち治るだろう…。そう考えてそのまま過ごしている方がいるのではないでしょうか?
その痛みや違和感には病気や関節の変形といった原因が隠れていることがあり、そのままにすることで症状が進んでしまう可能性があります。
ここでは、おしりや足の付け根の痛みを引き起こす原因にはどのようなものがあるか、治療にはどのような方法があるのかを解説いたします。
(1)おしりや足の付け根が痛い時の症状
おしりや足の付け根が痛い。その症状にはさまざまなものがあり、痛みだけでなく痺れが現れることもあります。
・歩いているとおしりに痛みを感じる
・歩き始めに足の付け根が痛い
・座るとおしりが痛む
・座ったあとに立ち上がるとおしりが痛くなりやすい
・おしりの横が痛む
・おしりの中心が痛む
・おしりの上部が痛む
・おしりの下部が痛む
・おしりでポコッと出っ張っている尾骨が痛む
(2)おしりの痛みを臀部痛といいます
おしりに現れる痛みを臀部痛(でんぶつう)といいます。痛みはおしりの左右片側に現れることがあれば、両側が痛くなることもあります。
臀部痛は腰痛の一部として現れることが多く、他にも関節や筋肉、靱帯が原因となり引き起こされる場合や、坐骨神経という末梢神経に負担がかかって起こる坐骨神経痛の症状である場合もあります。
(3)おしりや足の付け根が痛くなる原因は?
おしりや足の付け根が痛くなる原因について詳しくみていきましょう。
腰椎が原因である場合
腰椎とは腰のあたりの背骨のことで、背骨を構成する24個の骨(椎骨)の中の下5つのことをいいます。
椎骨の前の部分を椎体(ついたい)、後ろの部分を椎弓(ついきゅう)といいます。椎体の間は椎間板(ついかんばん)という軟骨で繋がれており、椎間板はクッションのように負担を分散しながら、背骨がスムーズに動けるように助けています。そして、椎骨は椎間関節(ついかんかんせつ)でつながっており、この椎間関節が動くことで私たちは背骨を曲げる・ひねるという動きができるのです。また、椎骨の間には脊柱管(せきちゅうかん)という神経の通り道があり、その中を脊髄が通っていますが、脊髄は腰の上の方までで、その下は馬尾神経(ばびしんけい)という神経の束があります。
腰椎の椎間板や椎間関節は、重いものを持ったり、歪んだ姿勢で腰に負荷をかけたりすると変形することがあります。そして、神経が通る部分を圧迫してしまい痛みが出てしまうのです。痛みは神経が伸びている腰から足のいずれかで現れ、おしりや足の付け根にも現れることがあります。
仙腸関節が原因である場合
背骨の下にある「仙骨(せんこつ)」と骨盤の左右にある「腸骨(ちょうこつ)」のつなぎ目となる関節を仙腸関節(せんちょうかんせつ)といいます。
仙腸関節は、膝関節のように動きに関わるものではありません。しかし、仙腸関節には上半身を支え、地面から伝わる衝撃を吸収するという役割があり、硬い靱帯で補強するように覆われています。
仙腸関節の周辺には腰から伸びている神経が広がっており、足を組んで座るといった左右非対称となる力が加わることで負担がかかると炎症を引き起こし、痛みが現れる可能性があります。また、女性は出産により産道を広げるときに仙腸関節の靭帯が緩み、不安定になると痛みが現れることもあります。
股関節が原因である場合
股関節は足の付け根の部分にある関節で、大腿骨の上にある球状の大腿骨頭(だいたいこっとう)が骨盤にある寛骨臼(かんこつきゅう)にはまったようになっています。
股関節は私たちが歩くために欠かせないもので、立つ・歩く・しゃがむという動きだけでなく、体重を支えるという役割も合わせもっています。
股関節は加齢などによる長年に負担が積み重なることで変形や筋肉の緊張が引き起こされ、神経が圧迫されると痛みを誘発することがあります。
(4)おしりや足の付け根に痛みが現れる病気とは?
おしりや足の付け根に痛みを引き起こす病気には、どのようなものがあるか詳しくみていきましょう。
坐骨神経痛が現れておしりが痛くなる病気
坐骨神経痛とは、腰から足まで伸びている坐骨神経が何らかの原因により刺激を受け、痛みや痺れを引き起こす症状のことをいいます。症状が現れる部分は坐骨神経が通っている範囲で、足やおしりといった一部に現れることがあれば、腰から足まで全体的に現れることもあります。
坐骨神経痛は、腰やおしりに関わる病気が原因となり現れることがあります。まずは坐骨神経痛を引き起こす可能性のある病気をみていきましょう。
腰部脊柱管狭窄症
何らかの原因により背骨にある脊柱管が狭くなってしまう病気です。脊柱管が狭くなると、その中を通っている神経が圧迫され、坐骨神経痛を引き起こします。
加齢や長時間腰に負担をかけるような仕事が主な原因となり、腰を捻ったり高い所にある物を取ったりすると脊柱管が狭くなるため痛みが強まります。逆に、前屈みになると脊柱管が広がり痛みが弱まるのが特徴です。
腰椎椎間板ヘルニア
背骨を構成している椎体の間には椎間板というクッションの役割をする軟骨があります。この椎間板の一部が神経の通り道へ飛び出てしまう病気が椎間板ヘルニアです。そして腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板ヘルニアが腰椎で起こったものです。腰椎椎間板ヘルニアで坐骨神経痛が現れるのは、飛び出した椎間板が神経を圧迫するためです。
歪んだ姿勢や運動が腰に負担をかけると腰椎椎間板ヘルニアが起こる原因となります。
梨状筋症候群
おしりの奥の方に梨状筋(りじょうきん)という筋肉があります。この筋肉は運動や長時間座って作業することなどで負荷がかかると硬く、緊張状態になってしまいます。この硬くなった梨状筋が坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛による痛みや痺れを引き起こす症状のことを梨状筋症候群と呼びます。
仙腸関節障害
仙腸関節障害は、仙腸関節に負担がかかることで炎症が起こり、痛みや痺れが現れることをいいます。症状が現れる部分はおしりや足の付け根だけでなく、太ももにも現れることもあります。
腰をひねる、中腰を続ける、鞄を片側で持つ、足を組んで座るといった行動は仙腸関節に負担がかかります。また女性は出産によって仙腸関節の周りの靭帯が緩むことがあり、これらは仙腸関節障害の原因となります。
変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨が加齢などによりすり減ることで変形してしまう病気です。徐々に変形がひどくなると、足の付け根やおしりの横に痛みが現れます。
立ち上がる、歩くといった動作でおしりが痛む場合が多く、歩くことが困難になるため筋力低下や、歩くときに体が傾いてしまう原因にもなってしまいます。
(5)おしりや足の付け根が痛いときは整形外科へ!
おしりや足の付け根が痛いとき、何科を受診すべきか迷う方がいるかもしれません。受診すべき医療機関は整形外科です。
整形外科を受診し、痛みの原因をきちんと把握することで、次にどう治療をすすめるべきか対策することができるようになります。
(6)おしりや足の付け根が痛いときの治療法
おしりや足の付け根が痛いとき、どのような治療をおこなうことになるのか代表的なものをご紹介します。
薬物療法
痛みを治療するときには、痛み止めの内服薬や湿布を使って痛みを和らげる治療をおこないます。
薬物療法は、原因となる病気を治すのではなく、痛みを和らげることで活動を助け、動くことで筋力の低下を防ぐためにおこないます。
ブロック療法
薬物療法で痛みが治まらない場合は、神経や神経の周りに直接薬を注入するブロック療法をおこなうことがあります。
ブロック療法は注入する薬によって、痛みを和らげる、血行の改善、筋肉の緊張状態を緩和するといった効果が期待できる治療です。
物理療法
物理療法は、次のような方法で血行を良くし、痛みを和らげる効果が期待できます。
・温熱療法(赤外線やマイクロ波等)
・鍼灸療法
・マッサージ
・低周波電気療法
・骨盤牽引
運動療法
運動療法は、ストレッチやウォーキングなど体を動かすことで筋肉の緊張を緩和し、血行を良くすることで痛みを和らげる効果が期待できます。
運動療法をおこなうことで筋力がつくと、腰など痛みの原因となる部分にかかる負担を減らすことができます。
(7)おしりや足の付け根の痛みには原因に合った適切な治療が大切
おしりや足の付け根が痛くなるときには、腰椎・仙腸関節・股関節といったさまざまな部分に病気が隠れている可能性があります。そして、それは対象部分の歪み・炎症・変形であったり、軟骨のすり減りであったりと病気の原因もさまざまです。
おしりや足の付け根に違和感があるときは早めに整形外科を受診し、原因に対する適切な治療をすすめましょう。原因の早期発見と、原因に合った適切な治療は痛みを改善するために大切なことです。
おしりに少し違和感があるのでどうしたらいいか相談したい。足の付け根に痛みがあり薬を飲んでいるが、なかなか治らないので筋肉や関節をみてもらいたい。些細なことでも気になることがございましたらいつでもご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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