膝の痛みにロキソニンが効かない!?膝痛に対する薬の効果と役割
- By: Kotsuban_anesis
- カテゴリー: 膝痛
膝は歩く、走る、座るといった動作に不可欠です。しかし、膝に痛みが現れると日常生活に支障をきたしてしまうことがあります。実際に、膝の痛みを抱えている方は年齢が上がるにつれて多くなり、中にはロキソニンといった薬を服用しているが、なかなか治らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、膝痛の方が服用する薬の効果や役割は何なのか、どのように治療をすすめれば膝の痛みが改善するのかを解説いたします。
(1)膝の痛みは変形性膝関節症が原因かもしれません
年齢が40代、50代になった頃から膝に痛みを感じる。そのような方は多いのではないでしょうか?
40代、50代頃から膝の痛みを引き起こす原因として「変形性膝関節症」という病気があります。変形性膝関節症は中高年の方、特に女性が多く発症する病気で、膝が痛くなる原因の代表的なものです。
(2)変形性膝関節症とはどんな病気?
膝関節は、太ももの骨(大腿骨:だいたいこつ)、すねの骨(脛骨:けいこつ)、ひざのお皿(膝蓋骨:しつがいこつ)という3つの骨が組み合わさってできています。そして、これらの骨の周りにある軟骨・靭帯・筋肉・腱がそれぞれ役割を果たすことで膝を動かすことができます。
骨が接する面は軟骨で覆われており、軟骨によって骨同士が傷つかないように保護されているため、膝を滑らかに動かすことが可能です。
このような膝関節ですが、加齢や体重の増加などが原因で、軟骨が徐々にすり減ってしまいます。その結果、軟骨による保護が少なくなり、骨同士が接触することで痛みを引き起こす病気、「変形性膝関節症」を引き起こしてしまいます。
変形性膝関節症の症状は、初期は歩き始めや階段の昇り降りなどの動作で膝が痛む、膝に水が溜まるというものです。そして、症状が進んでしまうと歩行が困難となり日常生活に支障をきたすこともあります。
(3)変形性膝関節症と薬物療法について
変形性膝関節症と診断された方の中には「ロキソニン」のような薬を処方されている方がいるのではないでしょうか?
薬を使用し、病気によって引き起こされる症状の改善を目的とする治療を薬物療法といいます。そして、変形性膝関節症の方が薬物療法で用いる薬には内服薬、外用薬、その他に注射療法で投与される注射薬などがあります。これらの薬には期待できる効果がありますが、一方で副作用というリスクもあるため専門家のもとで適切に使わなければなりません。
それでは変形性膝関節症の場合、薬物療法に求められる効果はどのようなものでしょうか?
変形性膝関節症の薬物療法の目的は膝の痛みを和らげることです。
膝に痛みが現れると、歩く、走る、座るといった普段の何気ない動作が辛くなってしまいます。しかし、動かなければ膝を支える筋肉が衰え、筋肉の衰えを補うために軟骨などの他の部位に負担がかかってしまいます。これでは変形性膝関節症を悪化してしまうため悪循環です。
そこで、薬物療法が必要となります。膝の痛みを抑え、行動するための活力を高めるのです。そうすることで膝の負担を軽減するための運動療法に積極的に取り組むことができるようになります。
それでは、変形性膝関節症の治療で用いる薬にはどのようなものがあるのかみていきましょう。
処方される主な内服薬について(ロキソニンなどの飲み薬)
変形性膝関節症の治療で処方される内服薬は、鎮痛効果や抗炎症作用が期待されます。
この効果が期待される内服薬としてよく処方されるものの1つが「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」という薬で、これには「ロキソニン」に含まれているロキソプロフェンという成分も非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種です。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症によって引き起こされる痛みに効果を発揮するもので、変形性膝関節症の炎症による痛みにも効果を発揮します。しかし、長期間の服用には注意が必要です。刺激が強い薬なので胃腸障害や消化管潰瘍といった副作用を引き起こす可能性があるため、胃や腸の粘膜を保護する薬と一緒に飲むといった対策が必要です。
他にも、「アセトアミノフェン」「COX-2阻害薬」といった薬が処方されることもあります。
処方される主な外用薬について(湿布や塗り薬)
変形性膝関節症の治療では、外用薬も内服薬と同様に鎮痛効果や抗炎症作用が期待されます。
外用薬としては湿布や塗り薬がこれに該当し、皮膚から成分がゆっくり吸収されるため副作用は起こりにくいのですが、その効果は内服薬より穏やかで、変形性膝関節症の初期症状の場合に処方されることが多いものです。
注射療法で投与される注射薬(ヒアルロン酸など)
変形性膝関節症では、内服薬や外用薬によって炎症の痛みを抑えた後に、注射療法でヒアルロン酸などの注射薬を投与するという治療をおこなうことがあります。
注射療法は患部へ直接、薬剤を投与することができるため短い時間で効果を発揮することができるものです。中でも「ヒアルロン酸」は膝関節の保護と鎮痛効果が期待できるため、よく膝痛の治療に使われます。
ヒアルロン酸の場合、その効果は1~2週間程度です。この間に運動療法などで膝関節の周りの筋肉を鍛え、膝関節を支えることができるように改善する必要があります。
他に用いられる注射薬としては、痛みが強い場合に「ステロイド」もよく使われます。しかし、ステロイドは膝の軟骨の状態を悪化してしまうリスクがあるため注意が必要です。
(4)変形性膝関節症に対する薬の効果
変形性膝関節症に対する薬の効果とはどのようなものかみていきましょう。
膝関節の痛みを和らげる
変形性膝関節症において薬は、膝関節の痛みを和らげることを目的としています。いわゆる「痛み止め」としての役割です。
膝に炎症があれば抗炎症作用により炎症を抑え、膝の軟骨がこすれている場合はヒアルロン酸で膝を保護する。このように、痛みを引き起こす原因に対して効果的な薬を取り入れると効果的に痛みを和らげることができます。
痛みがなくても症状は進行するため注意!
薬によって痛みは和らぎます。しかし、痛みを感じなくても症状は進行するため注意が必要です。
変形性膝関節症は膝関節の軟骨がすり減ることで骨同士が接触し、痛みを引き起こす病気です。この軟骨のすり減りは、どれだけ薬を服用しても元には戻りません。それどころか、薬によって痛みを抑えているときに無理をすると症状が悪化してしまう恐れすらあります。このように、薬だけで変形性膝関節症を治療することは難しいといえるでしょう。
(5)薬物療法だけでなく「運動療法」を合わせることで膝痛を改善!
薬物療法は、変形性膝関節症のように膝の痛みを引き起こす病気の治療によく用いられます。しかし、膝痛のときに服用する薬の主な作用は鎮痛効果です。これは、痛みを和らげることはできても、痛みの原因を治療することはできません。
膝痛を改善するためには、「運動療法」によって筋肉を鍛えて膝をしっかりと支える必要があります。そうすることで、膝関節で痛みを引き起こす原因となった軟骨にかかる負担を減らすことができるのです。
しかし、運動療法で膝の周りの筋肉を鍛えようとしても膝が痛むと思うように動かすことができません。膝をかばいながらでは運動効率が悪く、やり方によっては膝以外を痛め、膝痛を悪化することもありえます。
そのため、薬物療法で痛みを抑えつつ、専門家の指導のもとで運動療法をおこない、筋肉を鍛えることが膝痛の改善につながるといえます。
(6)膝痛は薬物療法で痛みを抑え、運動療法で進行を防ぐことが大切
膝に痛みを引き起こす代表的な病気として「変形性膝関節症」があります。この病気は膝関節を保護している軟骨がすり減ってしまうことで骨同士が接触し、痛みを引き起こすというものです。
変形性膝関節症の治療には、運動療法によって筋肉を鍛え、膝にかかる負担を減らすことが大切です。しかし、膝が痛む状態では運動療法に支障がでてしまいます。そこで、薬物療法によって痛みを和らげる必要があります。
運動療法によって筋肉を鍛えるときは専門家の指導のもと、膝に負担をかけずに適切な筋肉を鍛えることで効果を高めることができます。
膝が痛くて薬をずっと飲んでいるが、なかなか良くならない。膝に痛みが現れることがあるが、どのような運動をしたらいいのかわからない。些細なことでも気になることがございましたらいつでもご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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